レプトスピラ感染症に注意!名古屋「かなで犬猫クリニック」
2023/11/03
ここのところ岐阜県内のいくつかのドッグランにおいて、レプトスピラ感染症の発生が報告されています。
レプトスラは昔からある感染症ですが、特定の地域で流行することもあり注意が必要です。
今回はこのレプトスピラについて解説していきます。
長文になりますので、先にポイントを挙げておきます。
①レプトスピラ感染症はネズミなどの尿から犬や人にも感染し、腎不全や肝不全により命に関わる感染症。
②ワクチンは有効だが完全に防ぐことはできないこともある。夏から秋にかけて水辺での感染例が多い。リスクが高い子は毎年接種(初年度は2回)が必要。レプトスピラのみ追加ワクチン接種もできる。
③感染した場合はなるべく早期の治療が大切。
④回復後も細菌の尿中排泄に注意。
レプトスピラ感染症は主にネズミなどの野生動物の尿から排泄された細菌による感染症で、感染してしまうと腎不全や肝不全など命に関わる症状につながる人獣共通感染症です。
レプトスピラは感染動物から排泄された尿や死骸で汚染された水や土壌から、経口・経皮感染します。
1〜2週間程度の潜伏期を経て、初期には発熱が見られることが多く、発症から4〜5日後には黄疸や腎不全などの症状が出始め、重篤な症例では数日で亡くなってしまう事もあります。
レプトスピラからの回復後も生涯に渡り尿中にレプトスピラを排出することもあり、ご家族や他の犬への感染にも注意が必要です。
特に台風や大雨による増水後に感染報告が多く、夏から秋にかけてより注意が必要です。
レプトスピラは湿った環境下では土壌で半年以上も生存するので、河川に近づく場合には油断は禁物です。
治療法は抗生剤による治療が有効ですが、なるべく早期に治療を開始することが大切です。治療が遅れるほど命に関わるリスクが高まります。
血液検査や尿検査でレプトスピラやその抗体を検出することで診断しますが、常に血液や尿中に排泄されているわけではないため診断に時間がかかることもあります。
レプトスピラには250種以上のさまざまなタイプ(血清型)がありますが、国内で感染源として問題となるのは14種程度とされています。
このうちワクチンは2〜4種のレプトスピラを予防してくれますが、これら以外のレプトスピラに対する有効性は不明です。
つまりレプトスピラに対するワクチンを接種していたとしても、感染をすることがあり得るということです。
今回岐阜県内で発生したレプトスピラ感染により亡くなった子も、毎年しっかりレプトスピラのワクチン(10種混合ワクチン)を接種していたようです。
レプトスピラ感染を100%予防できなくても、感染リスクを少なくするために毎年しっかりとワクチンを接種すること(初年度は2回接種が必要)、流行地にはなるべく近づかないようにすることが大切です。
岐阜県からの河川が多数流入する愛知県でも人ごとではありません。
名古屋市でも昨年度2件犬の感染報告がありますが、診断できずに亡くなってしまったり、報告をしていないケースもあると考えられますので、実際にはもっと多いのではないかと思われます。
1つでも多くの命を守れるように、レプトスピラに対して正しい知識を持って、最大限の注意をはらっていきましょう。
当院ではレプトスピラのみのワクチン追加接種も行なっています。
詳しくはご相談ください。
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